2018年 プロ野球 宮崎キャンプ訪問の記録 前編
球春到来の報せからはやくも2か月近く経った。
オープン戦も始まり、待ちわびたペナントレース開幕まであと2週間ほど。
ソワソワしてしまう。
私もだいぶ熱気を帯びているファンのひとりではあるが、開幕前に、2月半ばに敢行した、宮崎キャンプ地訪問の様子を記録しておきたい。
プロ野球観戦が主な趣味になって以来、ブランクも含めて20余年経つが、秋・春ともにキャンプ地に出向いた経験はなかった。テレビでキャンプニュースをちらっと舐める程度で、交通費と宿代もかかるし、自分としては優先順位の低い野球イベントであったが、キャンプ見学経験者が口をそろえて
「キャンプはヤバイから行くべし」
と言っているのを耳にする。主に選手との距離が近くて"ヤバイ"とのことだが、野球ファンのはしくれとして、一回ぐらいは行っておくかと思い立ち、3日間の旅の計画を始めた。
メインはオリックスバファローズのキャンプ見学。
沖縄・浦添でのヤクルトスワローズキャンプと迷ったが、まずはより近い宮崎県を選択した。沖縄でもそうだが、宮崎でもファームを含めた複数球団が春季キャンプを行っている。
3日間オリックスに費やしてもいいし、その時の気分に合わせて他球団キャンプも行けたら行こう、そして運がよければ、大好きなロメロ選手や金田投手のサインをいただければ・・・とふわっとした気持ちで計画を立てた。
1日目 2月20日(火)
キャンプも初だが、まず人生において九州地方を訪れること自体も初めて。
アラフォー女性がひとりでどこまで楽しめるものか。少しの不安とそれをしのぐ期待感とともに、朝イチの格安便で羽田空港を飛び立った。
宮崎ブーゲンビリア空港のホール。宮崎県でキャンプを行う球団のグッズコーナーが大々的に設けられていた。
南のほうに来たんだなぁという実感もそこそこに、早めに到着できるよう、そのままオリックスキャンプ地に電車+タクシーで向かう。
かわいい電車と駅表示。初めての土地でささいなことにもワクワクしてしまう。
宮崎空港から約30分。バファローズタウンこと清武SOKKENスタジアムに到着だ。
応援する選手の幟を撮ったり、眺めたりしていると、
すぐ横を選手が通っていく。
到着から間もなく、選手との距離の近さにビビる。
SNSで知り合いの方が、効率のよい動き方を教えてくださったこともあり、事前に「ブルペン見て、バッティング練習見て、あっちのフィールド行って・・・」などとマップを見ながらシミュレーションしてはいたが、のっけから楽しくて、とりあえず気の向くままあちこち散策してみることにした。
さっそく移動中の選手が足を止め、サインに応じる姿を見かけて、さらに興奮。
写真はディクソン投手。球場でピリっと集中した表情しか見たことがなかったけれど、あんな気さくにサインに応じて下さるのか・・・
期待が持てるな・・・。
引き続き興奮していたためブレているが、新加入のアルバース投手がふつうに歩いていて、手を振ってくれたり、
選手以外にも、取材に来られていた和田ちゃんと写真を撮っていただいたり、
久しぶりに見る ロメロ選手のバッティング練習を見学したり。
この時点でキャンプ地に来てから1時間程度しか経っていなかったが、
「たしかにキャンプ、ヤバいわ」
と納得しながら散策を楽しんだ。
午後からメインスタジアムで紅白戦が行われた。
この日は平日。正確な人数は不明ではあるが、スタジアム観客は4割ほどの入りといった感じで、それぞれゆったりとキャンプ見学を楽しんでいたような印象だ。
私はオフシーズンで試合に飢えていたので、一球ごと、ひと振りごと舐めるように堪能。
ブルペンも近くてありがたい。
目と精神がキャンプに慣れて少し落ち着いた頃に、宮崎料理などが並ぶキャンプ地内の屋台(写真はない)でお昼ごはんをかっこんだ。
興奮を求めて散策を再開し始めると、
また選手のサイン列を発見。
「あれ・・・金田投手やんけ!!!」
いそいそと列に並んで、ド緊張しながらも無事いただけた金田投手のサイン。
いつもケータイの待ち受け画面で目にしている投手から至近距離でサインをいただけるのは、ありがたいし、嬉しいし、その選手のことも、野球自体も、より一層好きになる。キャンプ、ヤバイ。
ビビりで小心者のオバハンであるが、この時点で自然と欲が出てしまう。
「ロメロ選手のサインも、ほしい・・・」
16時少し前。紅白戦と全体の練習終了、ちらほらとタクシーに乗り込んで帰り始める選手がいる中、各練習場の出口付近を行ったり来たりして、ロメロ選手を捜した。
同じく出待ちをしているファンの方に「ロメロみました?」と聞き取り調査をする。この時ばかりはタフィ・ローズを捜しています改め「ステフェン・ロメロを捜しています」状態になってしまった。
ようやく、メイン球場から離れたトレーニング室から出てきたところを発見。
実戦終了後の疲労と後日への集中のためか、プレスのインタビューを終えると、ファンの呼びかけを一切シャットアウトしてタクシーに乗り込んで行かれた。この日は「そういうモード」だったのだろう。
残念な気持ちはもちろんあったけれど、一方で「また今度」と楽しみを先延ばしできたという意味と、これ以上ドキドキしないで済んだ・・・と正直ほっとした自分がいた。
・・・
ロメロ選手が去った後、最後にもうひと散策した、夕方のブルペン。
ひとりで投球練習していた松葉投手の、バシーーーッと響く球音が印象的だった。
サインがもらえるか否かとは別に、選手の表情が間近に見える距離で見学できるのは、純粋に楽しい。
選手の真剣な表情を見ると、ファンとしてケツの穴が引き締まる思いがする。
今年も全力で応援しよう。
・・・
試合や練習が観られて、運がよければ、大好きな選手とも触れ合える。
・・・なるほど、キャンプ、ヤバイわ。
と納得しながら、人生初めてのキャンプ見学 第1日目を終えたのであった。
キャンプ訪問の記録 後編に続く