タフィ・ローズを捜しています

最愛の野球選手であるタフィを超える選手を捜しながら、80年代、90年代のプロ野球の記憶などを記録していきます。

2019年 ラルフ・ブライアント氏来日イベントの記録

2019年8月末。

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1988年から1995年に近鉄バファローズに在籍し、大活躍した伝説の打者 ラルフ・ブライアント氏が来日した。

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関東、関西圏で複数のイベントが開催され、私も東京で催されたトークショーに参加したのち、場所を移して大阪・京セラドームにてオリックス・バファローズ戦での始球式の観覧が叶った。

 

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ブライアントと言えば

前述のとおり、ラルフ・ブライアント氏(敬愛の意を込めてこの後はラルフと呼ばせていただく)が近鉄に在籍したのは1988年から1995年。

私が小学生3,4年生の頃、休日に甲子園に行きたいとせがんだら「よっしゃ連れてったる!」と父親が運転する車に揺られてたどり着いたのは藤井寺球場(うちは南大阪だったこともあり至近で当日でも入場できる藤井寺を選んだのだろう)父による同様の"だまし"が2,3度あったおかげで現役時代のラルフをちらっと拝見したことはあるものの、私が自覚をもって近鉄を応援するほんの手前の世代の選手であった。

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球場でプレーする姿を何度も観ることは叶わなかったが、それでも1989年西武戦での4連続ホームランや、東京ドーム屋根中央のスピーカーに打球を直撃させたホームランは、時代を超えて雑誌や野球特番などで繰り返し語り継がれている。

また映画「ビバリーヒルズコップ」全盛の時代だったこともあり、ラルフがエディ・マーフィーに似ていて覚えやすく、こどもながらに「かっこいい助っ人選手」と認識していた。ともかくプレーや風貌も含めて、昭和後期~平成初期の近鉄バファローズを語る際に欠かせない存在だろう。

そんなラルフのめったにない来日の機会。元近鉄ファン、現オリックスファン、助っ人好き、そして野球好きとして逃すわけにはいかず、東京でのトークショーに申し込んだ。

 

会場に溢れる近鉄愛、パ・リーグ

私が参加したのは、2019年8月22日(金)に行われた、日本文芸社が運営するトークショーだ。

love-spo.com

平日夜の開催ということもあり、スーツ姿の社会人、わけてもラルフの現役ど真ん中世代と思しき男性が9割を占めた。女性の参加者は私含めて3人ほど。予想はしていたけれど、少年時代に戻ったかのような男性陣の熱気がすさまじい。

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トークショー前に、参加者の持参品にラルフがひとりひとりに向けてサインをくださる時間帯が設けられ、

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司会担当のDJケチャップ氏が、サイン待ちの間に軽妙かつ各メディア掲載NGレベルの愉しいトークで盛り上げてくれる。数少ない女性客への「今日参加している女性は変態ですね!」というイジりもうれしかった。

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隣席の男性は当時のメガホンを持参されていた。

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「左のほうにサインがすでにプリントされてるけど、ほしいの?」とラルフに突っ込まれながら、私も無事、当時の下敷きにサインをいただけた。ありがた過ぎて、正直今でも実感が湧かない。 

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トークショーのメインは、参加者による質問タイムだ。伝説の助っ人に直接話を聞くことができるなんて、私をはじめ会場全体が「うおぉ…夢みたい…」という空気に包まれた。

質疑応答の一部を記録しておこう。

 

ファン:藤井寺以外で印象的だった野球場は。

ラルフ:東京ドームと、グリーンスタジアム(現・ほっともっとフィールド神戸)。日本で初めてのドーム球場でしたし、神戸は天然芝がきれいで気に入っていました。

 

ファン:デッドボールを受けても投手に報復をすることが少なく、乱闘のイメージがあまりない。実際怒ったりはしなかったのですか。

ラルフ:日本には、あくまで野球しに来ていたので、プレーすることだけに集中していたからそう感じるのかもしれません。 

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バッティングスタンスを再現すると会場の熱気がさらに上がった


ファン:三振後、バットを膝でへし折るシーンが有名でしたが、痛くなかったのでしょうか?

ラルフ:とにかく三振したことに腹が立っていたので、痛みは感じなかったですね。

 

ファン:東京ドームの屋根部のスピーカーに打球を当てた時の感想をお聞かせください。

ラルフ:ポップフライか…と打球を追って見ていたら、そこからどんどん、ぐいぐい上がっていった。ホームランになるとは思わなかった。

 

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参加者が持参したヘルメットを被るラルフ

 ファン:チームで仲が良かった外国人選手は?

ラルフ:ベンジャミン・オグリビー。彼はナイスガイでした。

 

文字に書き起こすとどうしても平坦になってしまうのだが、ラルフは会話の端々にふんだんにジョークやボケをはさんできて、どことなく栗橋茂氏を連想させる場面もあり、「この時代の近鉄の選手はとにかくチョケるなぁ…」と野球以外の部分にも感動してしまった。 

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質問コーナー以外では、現在ラルフが住んでいるアメリカの家にファンが訪ねる企画があれば行くよなあ?というDJケチャップ氏の呼びかけに、会場全体がイクイクーーーー!!!と沸き立つシーンがあったりと、とにかく近鉄ファンパ・リーグファンの一体感と熱気がとても心地良いひとときであった。

 

トークが終わると、今度は参加者ひとりずつ、ラルフと2ショット写真を撮っていただく時間が設けられた。

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もうここまで来ると、「レジェンドを目前に緊張」という心境を突き抜けて「あ!これ夢やな!現実じゃないんやな!イエーーーーイ!」という一種の開き直り状態に陥ってしまった。楽しい!

 

参加できてよかった!

 

引き継がれる熱い期待

このトークショーの3日後の8月25日。帰省のついでに京セラドームでのバファローズ戦観戦を予定していたところ、ちょうどラルフによる始球式が行われた。 

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オリックス・バファローズが毎年企画する「夏の陣」の2019バージョンユニフォームがすごく似合うラルフ。かっこいい…

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(ビジョンにワイヤーが重なって見える席だったことが悔やまれる)

 

ぐっと来たのは、この始球式でスティーブン・モヤ選手が打席に立ったことだ。

ラルフもモヤも、中日ドラゴンズの二軍でくすぶっていたところにバファローズへの移籍、という経緯を持つ。(元々在籍していた他外国人選手が薬物問題がらみで解雇という経緯もほぼ一致)

モヤに関しては、移籍後初打席のホームランが記憶に新しい。

時代を超えて、バファローズファンの熱い期待を受け、モヤには是非活躍をしてほしいと強く願う。(来季もチームにいてくれるのかな…)

 

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以上が、2019年8月 ラルフ・ブライアント氏来日イベント参加の記録だ。

東京以外でも複数のトークショーに参加し、アメリカ大使館のイベントでこどもたちとキャッチボールをしたり、各メディアの取材を受けたりなど精力的にスケジュールをこなされていたラルフ。9月半ばまで滞在し、他にも色々な催しに参加するようだ。今後も定期的に、元気な姿で再会できればと思う。

ラルフ、サインと写真、そして貴重なお話をありがとうございました。

 

現在バファローズに在籍する助っ人選手がラルフのように、もしくはラルフ以上に活躍することを願い、

そしてできれば、1996年にラルフと入れ替わりで近鉄に入団した、タフィ・ローズも同じように来日イベントができる日が来ることを願って。 

 

 

記録はつづく