「グリーンウェル・トラウマ」をぶち壊せ! アダム・ジョーンズ来日会見観覧の記録
2020年1月26日。
今年からオリックス・バファローズに新加入した、アダム・ジョーンズ選手の来日・入団記者会見観覧に参加してきた。
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今から1週間前。
突如、球団よりメールが届いた。
90年代より、阪神時代のトーマス・オマリー氏に始まり、ブログタイトルにもあるタフィ・ローズ氏、そして本日(2020年1月27日)楽天イーグルス入団を発表したステフェン・ロメロ選手にわたって応援を続け、助っ人好きを標榜してきた自分にとってはこの上ない企画。迷わず応募した。
そして、ありがたいことに当選の連絡をいただいた。
しかしまあ、こんな企画をするとは、球団側もジョーンズ選手加入にあたり、よほどの気合と期待を込めているのだろうな…
なんにしても、貴重なイベントだ。楽しんでこよう。
会見当日までさほど日数もなく、急場の予定調整をして東京から大阪に向かった。
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会場は、関西国際空港に隣接する、ホテル日航関西空港の一室だ。
観覧当選者はここに集合し、会見前に、ジョーンズ選手の到着時刻にあわせて空港でお出迎えセレモニーに参加するという行程でイベントが進んだ。
大人の集団が球団スタッフに引率され、ぞろぞろと関空到着ゲートへと向かうさまはちょっと面白かった。
ミニステージが用意され、球団マスコットと一緒に待機。
30分ほど経った頃、
「道をあけてください!あけろ!あーーけーーろーーー!」
という、ものものしい警備員の声とともに、「人の集合体」がドヤドヤと近づいてきた。昔テレビで観た、福田和子容疑者移送中継を思い出してしまう雰囲気だ。
…しかし何事???有名芸能人でも降り立ったのか???
いや、ちがう!
本日の主役、アダム・ジョーンズ選手の到着だ!!
ご本人が現れた喜びや興奮もさることながら、オリックスファンとして、めったに経験することのないレベルの人だかりと熱気にビビってしまった。
うおおおお!!
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ミニステージでの写真撮影がわずか3分程度で終わると、そのまま徒歩で会場のホテルに戻ったのだが、その道中でも、ジョーンズ選手は警備員とサインを求めるオーディエンスに囲まれながら毛玉のように移動する様子がみられた。
各メディアで報道されたように、警備員の怒号が飛び交う、異様な光景であった。
ジョーンズ選手…20年に一度レベルの、超・超・鳴り物入りの助っ人かもしれない…!
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会場に戻ると間もなく、本日のメインイベントである入団会見が始まった。
福良GMもお元気そうでよかった。こんなグレイトな選手をよくぞ獲得してくれたものだ。
会見内容については、すでに各スポーツメディアが報道済なので詳細は割愛するが、印象的なジョーンズ選手のことばを2つほど記録しておきたい。
「若いチームメートには生き字引的存在として、なんでもオープンにできる存在でいたいです」
・・・頼もしい!推せる!!
「優勝は保証できないけれど、ベストを尽くしてプレーすることを約束します」
・・・ノー建前、ノービッグマウス。謙虚!推せる!!!でもできれば保証してほしい!
トータル40分ぐらいだっただろうか。空港での異様な人混みの光景から待望の会見まで、時間の感覚がなくなるぐらい、ファンとして、楽しく、うれしいひとときを過ごせた。
本イベントを企画して下さった球団関係者の皆様、ありがとうございました。
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大興奮の関空AJパニックから一晩経ち、余韻はあるが、少し冷静な心境になりつつある。
ジョーンズ選手を応援しようと思う気持ちに揺るぎはないが、それでも鳴り物入りの助っ人は、どうしても慎重視してしまう。
NPB創設以来、数えきれないほどの外国人選手が日本国内でプレーし、内容の良し悪しを問わず、様々な記録や思い出をのこして来たわけだが、個人的に、「鳴り物入り」というカテゴリーで真っ先に思い出すのは、マイク・グリーンウェル氏である。
グリーンウェル氏は、1997年、すさまじい前評判と高額年俸で阪神タイガースに入団したアメリカ人選手だが、同年シーズン序盤中の序盤、5月に帰国退団した伝説の「お騒がせ・鳴り物入り助っ人」である。現在は故郷で遊園地を経営しているとかしないとか。まあ今でも詳細を調べる気力すら奪われるほど、嵐のように去って行った選手であった。
(21世紀以降では、中日からヤクルトに移籍後、登板数0で多額の年俸とともにサイレント帰国したジョーダン・ノルベルト・アルメンゴ氏という存在も記憶に新しい)
私と同じように「グリーンウェル・トラウマ」から抜け出せておらず、空港にちょっとした騒動を巻き起こすほどの鳴り物入り扱いをされているジョーンズ選手を、慎重に見守りたいと願う、主に90年代からの野球ファン・助っ人ファンは少なからずいるのではないだろうか。
その気持ちは痛いほどわかるし、同じ経験は二度としたくない。
ジョーンズ選手は前評判にふさわしい活躍をするだろうか…
グリーンウェル氏の迷言である「神のお告げ」ではないが、それは「野球の神のみぞ知る」ことだろう。
慎重視はしつつ、それでも私は全力でジョーンズ選手を応援し、躍動するワンシーンを見逃さないように、2020年シーズンもできる限り球場に通おうと思う。
あの時、関空でジョーンズ選手上陸の瞬間に立ち会ったんやで、と、しつこく自慢できるような活躍をしてほしいと願わんばかりだ。
たのんまっせ!
記録はつづく