大阪球場にノムさんが帰ってくる 「おかえり!ノムさん大阪球場に。」プロジェクト始動
2020年10月29日発刊のサンケイスポーツを買った。
普段の野球情報収集は、ネット検索やSNSによるものがほとんどで、スポーツ新聞を購入することはレアである。店頭でこの見出しを見るや否や、熟読用と、保管用に2部をガシっと手に取り、荒めの息遣いで会計を済ませた次第だ。
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記事では、ノムさんの情報とゆかりの品が、大阪球場跡地にあるホークスメモリアルギャラリーに展示される企画が立ち上がった、という内容が大きく報じられている。なんでも江本孟紀氏が発起人だそうだ。
サンスポのツイッター公式アカウントでも同様の発信がされていた。
こんにちは。今朝のサンスポ1面です。大阪なんばパークスの「南海ホークスメモリアルギャラリー」をリニューアルし、アイコンのお方、野村克也さんの展示をしたい。そんなプロジェクトが始動します。 pic.twitter.com/3Xqy9oqYDq
— サンケイスポーツ(サンスポ)公式アカウント (@sankeisports) 2020年10月29日
蛇足かもしれないが、人名や場所について簡単に説明をしておこう。
ノムさんとは、2020年2月に逝去された野村克也氏のことだ。1980年代生まれの私の世代では、1990年代以降の監督としての姿が主に記憶に残っているが、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせたのは後述の南海ホークスだ。選手、そして選手兼任監督として偉大な功績を残した。
江本孟紀氏は、ノムさんが兼任監督を務めた時代の南海でともにプレーをした投手で、現在は解説、評論、タレントとして活躍する南海OBのひとり。
大阪球場とは、現・福岡ソフトバンクホークスの前々身球団である、南海ホークスが本拠地として使用していた球場を指す。
そしてホークスメモリアルギャラリーとは、今はショッピングモールへと建て替えられた大阪球場跡地にある、南海ホークスの歴史やゆかりの品が展示されている、展示ルームのことである。
しかし、このギャラリーでは開設当時より、ホークスで活躍したノムさんの情報は一切展示されていない。ノムさんが南海球団と揉めて解任されたことが原因で、本人が展示されることを辞退したという経緯があるためだ。
今回、その「ノムさん功績非展示」が見直されるという企画が立ち上がっているというわけだ。
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2020年夏に開催されたノムさん追悼イベントでも、江本氏が、同氏に関する展示がないことをどうにかしたい、と言及していたのが印象的だった。
私個人的には、「ノムさんの情報が無いなら無いなりに、ギャラリーを訪れた若い野球ファンが、その理由を調べるきっかけになりえるのではないか」というスタンスでいた。
「ノムさんは大阪に帰りたがっていたのではないか…」
ご本人が実際そう思っておられたのかについては、私のような、球界関係者でもない、いち野球ファンからはうかがい知ることのできないことである。
しかし、今回報道されたようにノムさんの情報を追加し、ギャラリーがリニューアルする企画が立ち上げられ、しかもクラウドファンディングという形式をとるのであれば、それはもう、前のめりで賛同しようと思っている。
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大阪球場が、私にとって思い出の場所であることも賛同の理由のひとつだ。
私は現役および兼任監督時代のノムさんの姿を生で観ることはできなかった。リアルで知るのはヤクルトスワローズ監督以降のお姿だが、あのノムさんが現役時代を過ごした球場が、人生初の野球観戦の場所であることは、野球ファンとしてのささやかな誇りだったりする。
南海ホークスが福岡ダイエーホークスとなり、大阪を去ってしばらく経ったあとも、なんば駅前に、当たり前のようにそびえたっていた大阪球場。私自身、大阪を離れて久しいこともあり、懐かしい街の光景として思い出される。
今はその球場すらなくなってしまったわけだが、かつて球団と球場があったことを知る機会を与えるメモリアルギャラリーの存在、そしてこにノムさんの情報が追加展示されるのは、前向きで有益なことだと思う。
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クラウドファンディングの詳細は2020年11月4日に公開されるようだ。もう間もなくである。
(追記:詳細が発表された。11月11日からクラウドファンディング受付開始。返礼品も色々選べるようだ。)
5日のサンケイスポーツ1面2面に掲載されています
— おかえり!ノムさん 大阪球場(なんばパークス)に。【公式】 (@okaeri_nomusan) 2020年11月5日
返礼品も公開されました‼️#おかえりノムさん#南海ホークスメモリアルギャラリー#野村克也#江本孟紀#大阪球場#南海ホークス#クラウドファンディング pic.twitter.com/R1k4ebWabr
コロナ禍で、思えばノムさんのことをゆっくりと偲ぶ機会もなく、ばたばたと10月も終わろうとしているし、なんなら2020年が終わろうとしている。
めずらしく購入してみたスポーツ新聞をきっかけに、一息ついてみてもいいのかもしれない。
記録はつづく