タフィ・ローズを捜しています

最愛の野球選手であるタフィを超える選手を捜しながら、80年代、90年代のプロ野球の記憶などを記録していきます。

オリックス・バファローズ V2試合観戦の記録

2022年10月2日、NPBで最も力を入れて応援しているオリックス・バファローズのリーグ優勝が決まった。

あらためて、本当におめでとうございます。

単独首位の地位をキープすることもなく、またマジック点灯もすることなく後半戦終盤を戦ってきた同チーム。

楽天生命パークでのペナントレース終戦、日曜日ということもあり、観光もかねて仙台におじゃまするか、と軽い気持ちでひと月前からチケットを取っていたのが、なんとV2を決める試合とあいなった。

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今年のオリックス、Aクラス入りすれば御の字、ぐらいには思っていたけれど、優勝争いをすることになるとは予想しておらず、なにも気負わず仙台へ向かう予定だった。しかし前日の10月1日時点で、パ・リーグの他チーム戦績の結果、以下のようなことになっていたのだ。かわいらしいイラストのこちらのツイートをお借りしたい。

ソフトバンクがロッテに敗退し、オリックス楽天に勝利した時のみ優勝となる。引き分けても優勝は逃すことを意味したチャート。

つまり優勝の確立は9分の1…

限りなく低い確率だけれど、ゼロではない可能性。ピリっとした気持ちで楽天生命パークのゲートをくぐる。

ライト外野席は予想以上にオリックスファンで埋まっていて、皆、優勝の可能性に緊張しているような印象と一体感を感じた。また東西応援団も集結して、応援音源とフラッグでテンションが上がる。

メンバー表交換。この時はまだ、この試合がどんな展開になるのか予想だにしていなかった。

先発は楽天・田中投手とオリ・田嶋投手。

田嶋投手。4回3打者までふんばって、交代。

満塁というハードな状況を背負ってくれた比嘉投手。

惜しくもギッテンス選手に適時打が出て2点先制されるが、

5回表、DH来田選手の代打で登場した山足選手の打席から得点チャンスがやってくることに。「#時代は山足」の言葉に偽りなし。

 四球を選んだ山足選手に続く伏見選手の安打で1点を返し、次打者の福田選手も続いて適時打、3-2と勝ち越しに成功した。

「お釣りの出ない野球」の再来だな…と安堵しつつ、目の前の試合と同時に気になって仕方ないのが、ZOZOマリンスタジアムでのソフトバンクvsロッテ戦だった。

「2-0でソフトバンクがリードしてる」と、初対面どうしの隣、前後ナナメのオリックスファン間で情報共有しあって、ため息をついたのを覚えている。

「でも、とりあえずは目の前の試合や!」「そうや!」というやりとりが自然発生した。

 

・・・

この日はとにかくオリックス投手陣の継投が冴えていた。

5回は宇田川投手が打者5人を抑える。今季大活躍、視線がかっこいい。

6回、7回は山﨑颯投手。もはやなんの不安もなく見ていられる存在になってくれたなあ。

この頃にロッテ・山口選手がホームランを放ち、ロッテがリードしていることを共有し、スタンドが静かな興奮に包まれた。

8回はワゲスパック投手にマウンドを託し、追加点を与えないまま9回に突入する。

このあたりから、優勝の確立が当初の9分の1よりもはるかに現実味を帯びてきたような雰囲気になり、スタンドがソワソワし始めていた。

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最終攻撃回の9回。

オリックスの東京応援団の名物ともいえる50番さん。いつもは9回攻撃時に笑える口上を見せてくださるのだが、「今日はもうなにも言いません。ただ!勝つのみです!!」とリードしたのが印象的だった。

そして、のどから手が出るほど欲しかった追加点を、杉本選手と、それに次ぐ伏見選手の安打で現実のものにする。

目の前の試合は5-2。

そして優勝ファクターを握る千葉での試合は5-3でロッテがリードを続けていた。

そんな状況で迎えた、目の前の試合の9回を締めたのが、こちらも今季大活躍の阿部投手だった。

2アウトのサインを送る阿部投手。

勝利の直前の瞬間だ。

そして、

楽天vsオリックス戦は5-2でオリックスが勝利を収め、

サブビジョンには、仙台とほぼ同じタイミングで試合を終えようとしていたソフトバンクvsロッテ戦の中継が映し出された。

ソフトバンクの最終打者・三森選手がセンターフライに倒れるのを確認するやいなや、

2022年パシフィックリーグの覇者がオリックス・バファローズであることを示すビジョンに切り替わった。

このあたりから記憶があいまいだ。

うれし泣きしていたような記憶もあるし、写真を撮らねば!と慌てていたようにも記憶しているし、9分の1という超・低い確率だった優勝を実現した現場にいられることが信じられない気持ちもあったりと、どこに感情を着地させればいいのかわからないまま、ただ、楽天生命パークのライトスタンドに居続けた感じだ。

中嶋監督の胴上げは撮れなかったが、宮内オーナーが宙に舞う写真は撮ることができた。

中嶋監督優勝インタビュー。胴上げの前か、時系列もあいまいだ。

もっとちゃんと選手一人ひとりに焦点をあててきれいな写真を撮りたかったけれど、実際「優勝の現場に居合わせる」ということは、そういうのも落ち着いてできるもんじゃなくなるんだな、と実感したり。

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オリックス優勝の写真撮影やインタビューが一通り終わったあと、本拠地最終戦セレモニーも行われた。

石井監督による今季総括とあいさつ。

楽天の選手方々と、マスコット、チアがフィールドを一周して挨拶をしてくれた。

ありがとう、楽天イーグルス楽天生命パーク。
また来季よろしくお願いします。

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以上が、2022年10月2日、オリックス・バファローズが2年連続優勝を決めた試合を現地で観戦したときの記録だ。

当日から一週間経ち、こうしてエントリを執筆していて、ようやく「ああ、現場にいたんだな」と実感できている次第だ。

しかし、そうこうしているうちにクライマックスシリーズで強敵を迎え撃たなければいけない現実がある。当エントリ執筆現在、まだ対戦相手は決まっていないが、それがソフトバンクにしろ、西武にしろ、一筋縄ではいかない相手であることに違いない。

 

確立が高かろうが低かろうが、それがゼロでない限り、どのチームにも勝利を勝ち取るおもしろさと非情さがある。それが野球なのだ。

 

最高のポストシーズンを願って。

 

記録はつづく