プロ野球カード記録 その26
プロ野球カード記録 26回目。
先日引退を発表されたこの選手について記録したい。
背番号 2
大引 啓次
経歴は、裏面に記載のとおり、法政大-オリックス・バファローズ-日本ハムファイターズ-東京ヤクルトスワローズ。エリート選手と言えるだろう。
ヤクルト時代の大引選手に関しては、公式戦でのすばらしい打撃や守備も思い出深いが、特に印象が強い1試合を選ぶとすると、私は迷わず明治神宮外苑創建90年記念奉納試合を挙げるだろう。
10年に1度開催される、ヤクルトスワローズと東京六大学選抜チームが対戦する親善試合だ。
私が実際に神宮球場で観戦した奉納試合は2016年11月だった。当時の大学選抜メンバーのなかには、今、プロ各チームで活躍する選手の氏名もちらほら見られる。
シーズン終了から少し経った、秋晴れが心地よい球場で、ホームランを放った大引選手の打球と姿を今でもはっきりと覚えている。
実にさわやかだった。
これより10年前の80周年記念奉納試合でも、当時、法政大学代表として出場していた同氏はホームランを打った。その時の様子は現地で観戦していなかったものの、きっとさわやかに放ったホームランだったのだろうと想像する。
10年ごとの奉納試合、学生・プロという立場と、チームを超えて2試合連続の本塁打。
「ミスター奉納試合」と呼ぶにふさわしい大引選手のことが、より一層好きになった。
オリックス時代のカードも記録しておこう。
2009年 京セラドームにてオリックス・バファローズ ファンクラブメンバーに配布されたカード。
私は今でこそ、オリックスの応援に力を注いでいるが、このカードが発行された頃は野球観戦離脱期まっただ中だった。
今は、2000年代なかば~2014年までの観戦離脱のブランクを埋めるごとく試合やイベントに出向きまくっているので、もっと早くオリックス・バファローズの応援をしておけばよかった、とか、もったいないことをしたなあ、と感じることはめったにないのだが、オリックス時代の大引選手のプレーを見逃した点についてはピンポイントで惜しいことをした、観ておけばよかったと心から思ってしまう。
カードの裏面の「神の申し子」というフレーズも印象深い。
大引選手のご実家が神社であることは、ファンの間で広く知られている。
大阪市内にある神須牟地神社(かみすのむちじんじゃ)にお参りをしたことのある大引ファン、野球ファンは少なくないはずだ。私もその1人で、絵馬を飾らせていただいたことがある。 前述の奉納試合といい、ご実家参拝といい、大引選手にまつわる試合や場所は、どこか特別で、さわやかな空気を感じることが多かった。
同時期に球場で配布されたカードがもう1枚ある。
大引選手をはじめ、そうそうたるメンバーが写るカード。もう全員、オリックスからいなくなってしまったのがなんとも言えないが、今から約10年前のチームを彩ったスター選手たち。このカードを見ても、やはりもうちょっと早く野球観戦と、バファローズ応援再開をしておけばよかったな、と少しだけ悔やんでしまう。
いや、過去のブランクを悔やむというよりも、大引選手のプレーをもう少し長く観たかったという気持ちのほうが勝っているだろう。
ミスター奉納試合、神の申し子、信頼の厚いビッキー…
寂しくなるけれど…
野球観戦という趣味に復帰して、野球場通いすることを決めたとき、そんなビッキーが神宮球場にいてくれてうれしかった。
大引啓次選手、素敵なプレーをありがとうございました。お疲れ様でした。次のステージでもご活躍を。
記録はつづく