タフィ・ローズを捜しています

最愛の野球選手であるタフィを超える選手を捜しながら、80年代、90年代のプロ野球の記憶などを記録していきます。

マレーロの10万号ホームランの思い出

TOKYO 2020こと東京オリンピックが始まった。

パンデミック下、緊急事態宣言発出と並行しての五輪開催。後にも先にもこんな五輪はないだろう。開催に関していろんな意見やスタンスがあるかと思うが、それをめぐって都民、国民間の分断も進んでいるようにも思えて競技観戦を楽しめずにいる。

オリンピックって、もっと楽しいものではなかったっけ?

五輪にかこつけて、侍JAPAN関連の野球カードの記録をしようかとも思ったけれど、無理やり「波にのる」のも自分らしくないので、少し前の、ちょっと懐かしくて、明るい野球観戦の思い出を記録することにしたい。

 

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2017年9月29日、クリス・マレーロ選手が放ったNPB通算10万号ホームランに立ち会った思い出

2017年は、近鉄バファローズの復刻試合を観戦したことをきっかけに、私がオリックス・バファローズを本格的に応援し始めた年だ。

関東パ・リーグ球場に加え、遠征応援にも出向くようになった。20余年ぶりにパ・リーグファンとして活動するのは、懐かしさと新鮮さが混ざありあった不思議な楽しみに満ちていた。

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 いつものように、何の気になしに幕張で観戦していた1試合。

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4番バッターとしてスタメン出場した、クリス・マレーロ選手は、当エントリのタイトルの通り、この日、NPB通算10万号ホームランを打つことになるわけだが、このメモリアル弾そのものだけではなく、知る人ぞ知る珍事件を経て通算10万号ホーマーに至った点も思い出深い。

マレーロ選手は2017年シーズン開幕後、少し遅れてオリックスに入団。NPB初出場は同年6月9日の対中日戦だったが、そこで見事に本塁打を放った。

しかし、中日の松井捕手(現オリックス)の指摘により、ホームベースを空過(ベースを踏んでいなかった)ことがわかり、本塁打が取り消しとなる「マレーロベース踏み忘れ事件」が発生したのだ。

この「踏み忘れ事件」がなくて、ホームラン1本分の記録がずれていたならば、マレーロ選手が10万号メモリアル打者としてのタイトルを得ることはできていなかったかもしれない。このめぐりあわせ、運、タイミング、最高の打者だな、と感動した。

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日本プロ野球発足以来、いろんな選手が積み重ねてきたホームラン。その大きな区切りとなる10万号目が、大好きなチームの選手によって産み出された瞬間に立ち会えた喜びは、今でも忘れない。

 

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記念展示がされることを知り、野球殿堂博物館にも出向いた。

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あらためて、メモリアル弾の瞬間に立ち会えてうれしかったな~…と思い出をかみしめる。

 

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そして2017年、遠征観戦に出向いた、京セラドームでのホーム最終戦でも表彰式が行われた。

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ドームでは「マレーロの10マンゴーサワー」というマンゴー入りのお酒も売られていて、おまけでポストカードがもらえた。

(カード上の「賞金は半分オレのもの」というセリフは、9月29日の試合でマレーロ選手の一つ手前、99,999号本塁打を打ったT-岡田選手が実際に言った言葉らしい)

マレーロ選手、おめでとう。

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マレーロ選手は2019年シーズン限りでオリックスを退団、その後引退報道などはされていなかったはずだが、インスタグラムをみる限りでは、今は野球をやっていないように見える。

3年という短い在籍期間でもインパクトのある伝説を残してくれた強打者。いちファンとしては、また日本でプレーする姿を見られるといいなと願っている。

マレーロ、思い出をありがとう。

 

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番外編

マレーロ選手の表彰式が行われた、2017年のホーム最終戦

試合後にグラウンドに入場できて、選手とハイタッチができるイベントが企画されていて、多くのファンがそれを楽しみに観戦しにきていたはずだ。

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しかし、楽天の打線が止まらず試合時間がなが~~~くなってしまい、

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試合には負けるわ、楽しみにしてたイベントはなくなるわで、とんだ最終戦となった。

このイベント中止は、マレーロ選手の10万号弾に次いで、2017年のオリックスの思い出トップ3ぐらいにランクインしているかも。

こういうこともひっくるめて、この年は新米オリックスファンとして楽しい1年だった。

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五輪開催期間中は、NPB公式戦はお休み。そのかわり、エキシビションマッチと称して、非公式試合が行われている。公式戦とはちがった選手起用を見ることができて、かなりおもしろい。

いつだって、なんだって、野球は楽しいものなのだ。

野球に限らず、いつだって、なんだって、「好き」という理由ひとつで楽しめる、それがスポーツではないだろうか。

それが純粋に楽しめない要因を抱えた状況下での国際的スポーツイベントは、今回限りにしてほしいと願う。

 

 

記録はつづく